@ エンジンオイルの役割
- 金属同士が直接ふれあわないように油膜を形成し、摩擦やエネルギーロスを防ぎます。
- 各部の冷却や洗浄の役目を果たします。
A エンジンオイルの劣化
- スラッジ(金属粉)やカーボン等の汚れがたまると、エンジンオイルは正常な働きをしなくなります。
- エンジンオイルはエンジンの熱で常に高温にさらされ、酸化していきます。
- 汚れはオイルエレメントにより一応ろ過されますが、酸化は防ぐことができません。
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エンジンを正常に作動させるために、オイル及びオイルエレメントの定期点検を行いましょう。 |
B エンジンオイルのチェック
- 平らな場所で、エンジンを始動する前に、オイル・レベル・ゲージを抜き取ります。
- オイル・レベル・ゲージに付着しているオイルを拭き取ります。
- オイル・レベル・ゲージをいっぱいに差し込みます。
- もう一度抜いてオイルの量がオイル・レベル・ゲージの規定の範囲内(HとLの間)にあるかを確認します。
- オイル・レベル・ゲージに付着したオイルの汚れを確認します。
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<新品のオイル>
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<汚れたオイル>
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- オイル・レベル・ゲージを元の位置に差し込みます。
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C オイル交換の目安
- 通常は、半年に1回または5000km走行が交換の目安です。
- ターボ・スーパーチャージャー装備車や、高速走行を日常的に行う車は、3ヶ月に1回または3000km走行が交換の目安です。
- オイルエレメントは、エンジンオイル交換2回に1回くらいが交換の目安です。
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車の特性や使用条件によって、エンジンオイルの交換時期は異なります。早め早めの交換を行いましょう。 |
エンジン・オイル交換を怠り21万円の余分な出費(5/15追加)
車種 軽乗用車 年式 平成10年2月 走行キロ数 44,624km
平成15年 3月15日 エンジン異音で整備依頼を受ける
○ 作業内容
エンジンを始動し音を確認したところ、エンジン内部より金属性の異音がしました。
エンジンのロッカー・カバーを取り外して内部を見たところ、エンジン、上部ロッカー・アーム部、及びロッカー・カバー内部でエンジンオイルが劣化し、グリスのように固まりこびりついていました。
(右写真 焼きついたエンジン)
オイル・ストレーナーが劣化したオイルを吸い上げ、各部の油坑道の穴が詰まりエンジン各部にエンジン・オイルが潤滑しなくなり、金属部が焼付けを起こしたことが、エンジンから異音が発生した原因でした。
エンジン下部を分解したところ、オイル・ストレーナの吸引口が劣化したオイルでふさがり、吸い上げられるような状態ではありませんでした。
そこでエンジンを車体より下ろして分解し、各部油坑道を点検洗浄後親メタル、子メタル、ピストンリング、オイルエレメント等を交換し再生いたしました。
(右写真
オーバーホール後再生したエンジン) |
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< 焼きついたエンジン >
< オーバーホール後再生したエンジン > |
○ 原因
エンジン・オイル交換時期(5,000キロ前後)に達してもオイル交換を行わず、自宅に保存していたガソリン及びディーゼルエンジン用オイルの補充のみを繰り返し約25,000キロ以上使用していたため、オイルが劣化しエンジン各部にオイルが循環しなくなったため焼き付けを起こしました。
○ 今後の対応・アドバイス
現在のエンジンは、オイルと冷却水系の十分な管理をしていればほとんど故障はいたしません。
※ 車輌の保守管理の責任はユーザーさまご自身です
『自分の車は自分で管理しましょう』 |