タイヤはホイールとセットすることで車体に取り付けられます。そのため、タイヤがその性能を発揮するためにはタイヤに適したホイールを正しくセットすることが大切です。
ホイールにはいくつかの特性が求められます。
@ 強度:耐衝撃性・耐疲労性に優れていること
A 軽量:強度条件を満たした上での軽さ
B 精度:サイズや形状が正確に仕上がっていること
C 意匠:ファッション性に優れたデザインであること
ホイール(リム)は、その断面形状で区分することが出来ます。右の図は、6種類のリムを断面図で図解したものです。
※ 自動車用タイヤでは主に広幅深底リムと深底リムが使用されます。
ホイール各部の名称(用語)とホイールサイズの表示例を、下に図解します。
@ P.C.D
P.C.D(Pitch Circle Diameter ピー・シー・ディー)とは、ボルト穴ピッチ円直径の事です。車種により139.7mm/114.3mm/100mmと異なります。ボルト穴直径は、乗用車では4穴、5穴、6穴があり、市販アルミホイールの中には9穴マルチタイプ(4穴・5穴併用)もあります。
P.C.D | 穴数 | 代表車種 |
114.3/100 | 5/4 | 国産乗用車 |
139.7 | 5/6 | 国産RV |
120.0 | 5 | BMW |
112.0 | 5 | メルセデス |
108.0 | 5 | フェラーリ |
130.0 | 5 | ポルシェ |
B ボルト 車両のハブにホイールを取り付けるボルト(ハブ・ボルト)は、車種別(メーカー別)に指定されています。 また又、ナットの取付面形状には、60°テーパー、平面、球面の三種類があり、ホイールの形状に合わせたナットを使用する必要があります。
A オフセット
オフセット(OFF SET)とは、ホイール断面の縦方向の中心線とホイール内側の車両取り付け面との距離の事です。
リム幅(タイヤ幅)と、オフセット値によってそのホイールが車に装着できるかどうかが決まります。
たとえば、標準オフセット値より小さいホイールを装着すると、その寸法分だけタイヤは外側に移動します。
C リバースタイプ・ホイール
リバースタイプ・ホイールとは、タイヤの組みつけに使うリム部分の凹み(ドロップ)がインナーリム側にあるホイールです。
このためタイヤは裏面から組み付けることが必要となります。
D アルミホイールの構造
1ピース構造
リム部とディスク部が一体となった構造です。鋳造後に切断加工で仕上げるため寸法精度が極めて高く、2ピース構造・3ピース構造に比べて軽い特徴があります。
2ピース構造
リム部とディスク部を溶接して一体とする構造です。オフセットやディスク部のデザイン自由度に優れています。
3ピース構造
表側リムと裏側リムを溶接し、ディスク部をボルトで組付け一体とする構造です。ファッショナブルなホイールデザインに多く用いられます。
シンボルマーク |
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実施時期 | 1973年12月〜1978年12月改定 | 1980年9月 | 1978年7月 | |||
管轄省庁 | 国土交通省 | 国土交通省 | 経済産業省 | |||
担当機関 | (自社認定) | (自社認定) | ホイール試験協議会 | |||
技術基準 | 乗用車用軽合金製 ディスクホイールの技術基準 |
トラック及びバス用軽合金製ディスクホイールの技術基準 | トラック及びバス用軽合金製ディスクホイールの技術基準 | |||
マーク名称 | Japan Light alloy metal Wheel | Japan Light alloy metal Wheel Truck | Vehicle Inspection Association | |||
内容 | 運輸省の技術基準に合格したものは、JWLマークを表示して販売しても良い。 | 運輸省の技術基準に合格したものは、JWL-Tマークを表示して販売しても良い。 | 財団法人「日本車両検査協会」が試験を行い、合格すれば登録No.が与えられ、VIAマークを表示して販売しても良い。 |